映画「新生(真正?)バットマン」登場w

バットマン ビギンズ (ソフトバンク文庫)
今日家族がレンタルしてきました「バットマンビギンズ」。
いやあ今作のバットマンは久しぶりに「良作!」と思えました(^^
元々当方はあまりバットマンは好きでも無かったんですけどね、良くも悪くも原作アメコミそのままだから荒唐無稽で単純だったし(^^;
歴代映画のゴッサムシティのあのイヤ〜な暗さとか粗野でケバケバしい色彩感覚と、演出過多でデフォルメされすぎなアクションシーン等が苦手だったんです。
しかし今回のは良いですね〜、うん。今までの悪い意味でのバットマンっぽさが無くなった。
最近往年のアメコミヒーローが次々リメイク、あるいは映画化されてますが、ヒーロー自身が基本的にはノーマルの人間というのがバットマンが他のヒーローと違う点でしょうかね。
だからその分それを可能にするスーツやさまざまなガジェット(小道具)が出てくるんですが、今回のバットマンはその基本的な部分の誕生から描かれていて、そのリアリティ、クオリティを磨き込んでいますね。
また感心したのがバットマンが「バットマンとして戦うことを決意した理由」やそのために身につけた様々な武術、技術」など、バットマンというヒーローを「ただ超人的なパワーを最初から持った、又は急に獲得した」理屈無視の「ハナっから超人w」というような安直なヒーロー像にしなかった事。これは大きな意義があります。
何の根拠もなくただ単純に「強いヒーロー」なんて単純すぎてあまりにも奥行きが無いですからねw
もっともシンプルで簡単に「とっても強いヒーロー」であれば幼い子供には判りやすくて良いのでしょうけれども(または短絡的な頭の大人たちとか)(苦笑
ゴッサムシティも今までのような漫画漫画したコッテコテのディティールや外見、景観ではなくリアルで綿密で理に適った姿形をしていてその細密な作り込みは今までのハリボテ感の強いゴッサムシティではなく現実にありそうな本物の大都市感を獲得してました。
そして今までに無いほどスケールアップした敵役達、こちらも今までのような「誰が見ても悪者」といった単純典型ではなく社会全体に巣くう暗部、またそれを「正義」の為に丸ごと滅亡させようとする「組織(というかこれはある意味社会システムの一部か)」というまさに今までの「ただ悪いやつ一匹倒せば終わり」みたいな簡単なものでは終わらせないニクいシナリオ、また主人公ブルースの葛藤と決意といった人の精神的な部分、人間関係といった複雑な要素も込められ、本当に今までのアメコミそのままのバットマンから一皮も二皮も脱皮し、内容のある品質の高い、本質を持った「映画」として結実したように思います(柄にも無く褒めすぎかな)。
当方は映画好きでまた普段は辛口なほうなのですが今回のはかなり良かったです。
ハリウッドも昨今は良質なシナリオや原作、キャラクター(最近よく言うコンテンツってヤツです)に困窮していた様がありありと見えていましたし、過去のヒット作の焼き直しばかりでもうかなりヤバ目かな〜と思ってました。
でもせっかく技術は在るしコンテンツのストックは多数あるのだから、このバットマンのように新しいものでなくともプロ達が本気になって質の高い物造りをすれば十分に成功を取り戻せると思うのですがどうでしょう、一時期どん底にあった日本の映画界は最近凄く元気になってきましたよ(^^