歳末は忙しいものである…

随分ほったらかしにしてしまったなあ、もう3週間くらいあけちゃったかな(´`;
今当方は次の職場探しで遁走せざるをえないのですが、やっぱり建築(内装含めて)業界はまだ氷河期真っ只中といった感・・・。
その上この度の耐震強度偽装事件である。もう建築業界はボロボロだわεー(´`;A
バブル崩壊の影をいまだ引きずり続けてるのは見るも明らかですが、にしてもマスコミももうちょっと突っ込んだ報道の仕方ないのかねえ?
今回の事件、当方も建築家の卵を自覚する身なれば当然思う部分もある。
構造計算偽装は当然やってはならない犯罪的行為には違いないが、そもそも何故それが簡単にまかり通ってしまったのだろうか、検査機関は一体何をしていたのだ?とは誰も思わないというのだろうか。
構造計算は当然複雑な計算式が必要であり、確かに素人が見ても全く判らない記号と数値の羅列にしか見えないだろう。しかし報道でも語られているように、現場の職人達や施工に関わる経験者たちは経験でそれが大体どのくらいの強度になるかは図面や仕様書をみれば大体推察できるのだ。明らかに本数が多い少ないは使用や図面をしっかり見ていれば大まかにでも判るはずだろう。でなければ何故大量に書類を作成し、検査を通しているのか判らないではないかw
今回の事件で今マスコミに取り上げられている当事者は建築主である企業ヒューザー等、構造設計者である姉歯建築士、そして偽装物件を施工した木村建設、そしてそれら偽装に深く関わっていると思われるという総合経営研究所(一体何者だかw)。
大きくみてこの4者が中心となってこの偽装は行われたという図式が報じられている。(多少語弊があるかもしれない)
が、この事件、今は姉歯氏の偽装行為がもっとも重い罪となっているような報じられ方をしているように感じられる。
もっとも建築士資格を持つ人間が行っていいことでは決して無いしまた許されることでもないとは思う。思うがしかし、それがゆえに主悪は彼だと言えるだろうか?また、彼だけが弱く悪意のささやきに勝てなかったと思うだろうか?
一つだけ私は着目しておきたい、この不正を公表したのはほかならぬ姉歯氏本人だったことを。
自ら告白したことで資格を剥奪され信用を失い、彼は既に自分の罪に対する罰は受けていると思える。
今建築主や件の総研所長は必死になって己は清廉潔白事実無根を訴えているが世論は常に見ている、何が正しく、何が偽られているかを。
そして今はこの4者に焦点が向いているが、根本的な欠陥、不正を防ぐ為の検査が正常に機能していないという大問題を忘れてはならない。
近いうちにこの件についても大きく表に出されていくことだろう。
また、今回でもしっかり施工企業の手抜きや粗利上げの施工費削りが浮き彫りになっている。
一昔前にやれシャブコン(水で材料を薄めた強度のないコンクリート)だのと騒がれた一連の不誠実な施工の実状は何一つ改善されていないことが今回の問題ではっきり露呈されたことになる。
利益追求、自由民主主義市場を否定はしない、しないがソレばかりが専行し本来備えていなければならない最低限の本質までおろそかにしてしまった。それがこの問題の本質だと思う
一刻も早く事の責任は誰にあり、厳罰をもって業界全体の健全化を促す事が先決でしょう。
建築に関わる仕事をしようとしている当方にとってもソレが今一番望むことです。
しかしこの問題は、彼らだけを罰すれば全て解決といった簡単なものでは無い。
第二第三の姉歯氏が、いやこの偽装や不正を生み出すメカニズムが無いとは絶対にいえない。
いつだって人の目に氷山は海上の一角しか見えていないのだから…