Point of Impact

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「The Shooter―極大射程―」の原作であるこのポイント・オブ・インパクト。
映画で初めてこの作品知ったんですが、本屋で見つけたので買って読んでみましたw

うん、確かにこれは邦題の付け方ナンセンスだわ(^^;
理由は読んでみれば解かります。


まず読み終わっての全体としての感想は、大変良いです
流石ベストセラーだけの事はあります。

基本的にこの物語の骨子はサスペンススリラーです。
しかしソコにはアクション要素やミステリー要素がふんだんに盛り込まれてます。
アクションには逃亡劇ありサバイバルあり銃撃戦あり狙撃線あり
謎解きには諜報作戦あり陰謀劇あり推理あり裏を斯く計略あり罠かけ合戦あり政治要素あり法廷サスペンスあり少しばかりのラブロマンス(かな?)あり……

もうありとあらゆる要素が天こ盛りです(^^
ここまで贅沢に盛り込んでいながら全然破綻してないというのも凄いことです。



確かにコレを原作にしてると考えてアレだと……
映画が叩かれるのも解かる気がしてしまいます(^^;



映画版のアレは、あんまりにサスペンスとしての側面がおざなりすぎるし、ボブ・リー・スワガーの用意周到で絶対に裏をかき切られない計略や手腕といった頭脳プレイもあんなシナリオでは全然活かしきられてません(^-^;

原作はサスペンスとしての出来は非常に良く出来てます。一級です。
原作の出来が良すぎるだけに映画のアレはそりゃあ酷すぎると言われてもしゃーないwww
原作ではあくまでも狙撃手、ライフルマンならではのアクションと技能で神業的な腕を披露し立ち回るのに、映画ではアサルトライフルと遠隔爆薬でババババッドンドンバキバキドッカーン!だもん(大爆笑
まあその最近流行りっぽい戦術的なCQBアクションや演技、ボブの戦闘能力の高さはまあまあだったんですが。

原作には無い銃創の自分での応急処置シーンとかは自分で即席点滴とか作ったりしてて興味深かったですが。

勝手にランボー化されてるしラストなんて必殺仕事人化したシュワちゃんイレイザー状態(爆
(映画「イレイザー」を見た事ある人にしか通じませんねこの言い回しw)

原作はその手前でほっとんどアホみたいに一瞬で負け戦に終らされる法廷闘争にじっくり重点を置いてラストは何処の良作法廷サスペンス映画ですかと言いたくなるぐらいビシッと決めて逆転劇で綺麗に終るのにw

悪役組織の複雑な背景も簡単にCIAと単純に軍産ってベタな悪党設定にしちゃうあたりシナリオがずさんすぎて辛いデスねー(苦笑
まあこの悪党連中のボロっちい設定には映画見た当初から
アチャー(;ノ∀`)安直〜って感じでしたがwww

ハリウッド映画のシナリオ劣悪低下、ここでも浮き彫りになってしまった感が否めませんね。
登場人物たちの魅力も原作の方が全然上ってのが尚更痛い。

原作をもっと忠実に再現する事だって全然出来たはずなのに……非常に残念だ(´;ω;)


ドンドンバキバキの特殊効果は相変わらず凄いとは思うけどねw


あ、さてw
あんまりベタ褒めるのもアレなのでここからはちと突っ込みwww
ちょっと気になった妙な点が有るんです。
以下ネタバレ含みますので知りたくない人は回れ右してGo to the 『BACK』!(笑



下巻の中盤あたりでボブを嵌めた凄腕のスナイパーの正体を突き止める為、ボブ・リー・スワガーがその達人の情報を求めてある男の屋敷を訪れるんですが、実はその男こそが凄腕のスナイパー本人であり、ボブはまんまと敵の罠に再び嵌まってしまい、罠の中へと誘導されピンチを迎えますw
男の屋敷から飛び出し、追っ手から逃れる為、裏手へと逃げようとたった一ヶ所開けた小高い丘へと逃げ昇るスワガー。
しかしその丘こそスワガーを仕留める為に追い詰め、周囲を完全に包囲して蜂の巣にしてやろうとする敵の罠の終点だったのですが……

ここでさあ大逆転ですwww

完全に追い詰めたと自身たっぷりの敵さん大将の大佐。
丘の上で完全に包囲されてしまったボブ・リー・スワガー。
さて、ここで突然、組織の秘密を暴いてしまい消されそうになっていた所をボブ・リーが助け、行動を共にしていたFBI捜査官であるニック・メンフィスが、この包囲されていた筈の丘の上まで何の苦も無く這って増援にやってきたのですwwwwwwwwwww


ええええええええええええええええええええええっくぁwせdrftgh!?

 あ ん た ど っ か ら 来 た の よ と (爆


このニック、ボブがスナイパーの男の屋敷を訪れる前に自分は敵の組織に関わる重要な機密書類である「添付書類B」を探しに戻ると言い別行動に出ていたんですがw
ここでようやくボブ達が組織の罠を見抜き先手を打って行動していたことが解かるんですが、それにしてもニック、あんたですよニック。

ボブが丘の上まで逃走する間も、その前からも敵さん達は周辺一体全て警戒していたはずなのに、ボブが丘の上で身を潜めた頃には完全に丘の周囲には組織が用意したパンサー大隊というエリート特殊部隊が配置につき終わっているというのに、その様子を満足げに見ながら大佐が一斉突撃をかけるまでの間突撃要員達や監視要員がずっと丘の上を監視してた筈なのに……

アンタどうやって何処から包囲網を掻い潜って丘の上のボブの側まで行けたんだ?wwwwww

いきなりさもありなんって感じにちょちょいと這い登ってきちゃってw
突然出てくるんですよホント(^^;
しかも両手にボブの長い狙撃ライフル、レミントンM700のケースとでっかい弾薬缶抱えてさwww

だれか、ホント教えてくださいw
この人どっから増援に駆けつけたの?
もとから丘の上に隠れてたってわけじゃないっぽいのよ。

問題箇所抜粋
> ボブは声を聞いた。
>「あんたがこの丘を登りきれるとは思わなかったよ、じいさん」
> ボブは腹を支点に回転し、這い寄ってくるニックを眺めた。

とありますんでw


周囲の敵の眼を盗んでずっと丘の周囲に隠れていたのか?
よく発見されなかったもんだw


あとはボブに大司教暗殺の濡れ衣を着せようと使われた狙撃トリックですが。
これはボブのライフルから発射された弾丸(土の中に打ち込まれ綺麗な形状を残している物)の旋状痕(銃の特定に用いられる)を残したまま他の銃から撃ち出すためのトリックです。
弾丸のに付いた旋状痕を残したまま別の銃から撃つ為には弾丸の表面が再びライフリングで削られないよう紙などの何かで保護し、その保護膜分大きくなった口径の銃身から撃つという方法があります。

が、一度発射された銃弾に紙などのカバーで旋状痕を保護した特殊な弾頭で、果たして1450yd(約1200m)もの超遠距離を命中させられる精度が保てるのかという疑問があります。
コレは結構本国でも色々可否両論言われているようですw
個人的には弾丸表面にサボット(被筒体)となるよう可燃性の樹脂か何かで弾頭側面を綺麗に均質なコーティングが出来れば可能かと。




どうでも良いけど、そういえばもう直ぐバレンタインなのねーっ(^^;
イラストなんにも用意してないぞうw
のこり2日きっちゃった……こんな短時間で何を描けるというのか?orz