無茶しすぎやっちゅうねん!!

今の仕事(某内装設計事務所)はあくまでアルバイト扱い(せめて時給位上げろ)なのだが人手が足りないことから現在一つの物件で2階売場を担当している。
が、この物件、某スーパーセンター(意味判るだろうか)の改装なのだが設計にかかったのが10月からでOPENが11月下旬と非常に日程が短くはっきり言って無茶なスケジュールである。
で、端から時間が無いのに施主からは毎度の如くレイアウト等に注文が入り修正修正また修正という始末。
しかも予算が無いから徹底して減額の為に口を出す、が売場構成にはしっかり要望も要求w
典型的な「金は出さんが口は出す」のクライアントである。
その為仕事が消化しきれず日曜には家まで持ち帰って徹夜し、その足で月曜に遠い地方のクライアントの本社まで内容承認や打ち合わせの為出向いた無茶がたたってしまったようで体の調子が悪い(苦笑
まあ仕事なのだから仕方の無いことと割り切るしかないのだが、それにしても今建築業界はまだまだ不景気真っ只中といった感がまだある。
うちは内装設計施工だから厳密には建築とは違うが不景気なのはこちらとて同じこと。
だからどんなにクライアントが無茶を要求してきてもこちらは下手にならざるを得ない。
クライアントが要求するのは当たり前だが常に「安くしろ、でも良いもの作れ」であるw
そりゃ誰だって買う側は安くて良い物を求めるものだが、そこにスピードまで求められちゃ無理ってもんだw
世の中スピード重視で来ているが、早くてお手軽なものに良品はそんなにあるだろうか?
比較じゃないが世にあまねくファーストフード、これは注文してすぐ手軽に食べられるからファーストフードと言うが正直に言ってこれらファーストフードは美味いだろうか?
大衆から反感を買ってでも言わせてもらおう、はっきり言って不味い!
その上利潤を上げるために徹底して低コストの為決して品質も良くはない。
こんなものを一日三食毎日なんてやったら確実に成人病まっしぐらだ。
また、安いものに良い物はどれくらいあるだろう?
今流行りの某量販「ユニクロ」や100円ショップの数々、これらは今低コスト商品を何処から仕入れているか?
それは間違いなく「中国製産品」である。最近では他にもマレーシア製とかタイ製、フィリピン製など多くは人件費の安い途上国製である。
が、これら人件費の安い国々の製品はいうまでも無く国産より精度は悪い。
技術的に後進国なのだから当然といえば当然かもしれないがそれにしても中国製などはあまりにもひどすぎるものがある。
私は昔自分用のベッドに7890円の折りたたみ式リクライニング付パイプベッドを量販店で買ったが2ヶ月もしないうちにリクライニングのロックが壊れ、買った店へ事情を伝え新品と交換してもらったのだがソレもまた1ヶ月ほどでまたロックが壊れてしまった。
製品そのものが粗悪というか、耐久力が全然無かったのだ。
そのベッドは次第に足も歪みそのうち折れ曲がってしまって使い物にならなくなった。
そのパイプの断面は厚さ0.5ミリほども無く、ハンマーで簡単に曲がってしまうような鉄屑並の代物だったのにはマイッタ。
現在の3000円台のスニーカーなど半年もすれば履きつぶしてぼろぼろになってしまうしプラスティック製品は5年もすれば風化してボロボロだ。
家電製品はまるでタイマーでも仕込まれているのかと思うほど5年ほどで電子回路が狂ったりショートしたりする(ーー;
うちに昔からある30年前のAV機器はいまだ現役だしワシの年齢と同じ二十数年使っている電子レンジは今でも使える。
30年前の目覚まし時計は外装がプラスティックだが全然風化も進んでいない。
昔の製品はことごとく皆今でも頑健に動いているのに何故現代の製品はこうも脆弱なのだろうかねえ。
答えは簡単だ、現代の製品は我々の消費スピードにあわせて耐久力を犠牲にしてコストを下げているからだ。
それに、企業にすれば次々と出す新製品を買ってもらうために製品の回転性を上げたいためにも別に10年20年と持たせるメリットは無い(腹黒いがそれが現実
昔からよく言うだろう、「安かろう悪かろう、良かろう高かろう」とねw
ちょっと話がそれたがつまりスピードや物量を重視すれば精度や品質が下がるのは必然であり、そこでコストを下げても品質を上げるには生産者側に負担を強いるものなのだ。
良い物を作らせたいなら見合うだけの金額を払えば相応のものが返ってくるのは間違いない。
少なくとも金額に対し質の悪いものや不完全な仕事しかしないような粗悪でいい加減な企業は日本の「真っ当」な企業にはほとんどないのだからw
ソレと少し方向はずれるが、今の企業の経営の方針にも相当の不信が募る。
今アルバイトしてる会社も立派にその一つなのだが、社内人員のかなりの数を非正社員でまかなっているのが今の状況だ。
期間契約で雇っている中途採用契約社員や今流行りの派遣会社からの派遣社員、そのほか当方のようなアルバイトやパートタイマー(うちの場合パートは居ないが)、そのほか元社員や経験者を内・外部ブレーンとして非正社員という形態で雇っている。
当方の所属している設計部でも正社員は全体の約半分くらいしかいない。
そしてその非正社員は皆、仕事のノウハウや初歩的な教育などは正規の新入社員にされるような手取り足取りのような教育はまずされない。
経験者であるブレーンや中途採用者などはまだそれでもいいがアルバイト人員などの場合それでは仕事が覚えられない。
また覚えさせようともしていないし、そもそもがそんな重要な仕事を任せるつもりもないだろうが、ともかくも之では当の従業者が全然成長できる環境ではない。
そう、今の企業は皆バブル崩壊後の経営危機を人員削減で乗り切ってきた。
そんな企業達にソレまでと同じような「新人を育てる」ような余力はほとんどないのが現状なのだ。
私が就職活動中に何度も聞いた言葉があった、「企業としては初めの2〜3年は君達(新人)を教育していかなければならない。その間君達は能力に対して過分な給料をもらっていることになるんだ。また企業側はその間君達を教育するためのコストを負担しているんだから、入ってきて3年くらいでもう飽きましたといって辞められては困るんだ」という言葉だ。
それほどに今の社会的な風潮では就職しても2〜3年でやめてしまう社員が多いということでもあるようだが、これは同時に企業に社員を惹きつける魅力というか能力が弱くなってしまったということの表れではないだろうか。
そんな企業にとってのリスクを避ける為に慎重になる正社員採用だが、それは業界全体のこれからの世代の成長を阻害し、将来における人材の成長不足となって返って企業の首を絞めることになってしまっているのではないだろうか。
既に高齢化社会真っ只中であるこの日本でこれからの労働力となる若者は減る一方だ。
新人の成長を阻む理由は他にもある、それはバブル崩壊後の大リストラによって企業の中堅、管理者達がすっぽり抜けてしまったことだ。
若手を引っ張る先輩達が丸々居なくなってしまって、他に誰が若手を導けようか。
その上団塊の世代が定年を迎える2008年問題はもうあと3年しか猶予は無い。
戦後最大の労働者人口であり、高度経済成長を支えた実力者達である団塊の世代が姿を消し、後に残る成長不良を残した若い労働者たち。
この構図が何をもたらすかは小学生でもわかることではないだろうか。
この先このままではたして日本は経済、そして何より技術超大国として生き残り続けられるのだろうか、あなたはどう考えられますか。