クビだって？これ以上はこっちから願い下げや!!

>>雪音 ｢まったく、何クビになんかされてるんですか(ため息｣

面目ない、全てワシの努力不足よ。
とはいってもワシは設計図面やパース作成は出来ても大工の真似事なんか出来やしないぞ。
ここ一ヶ月は完全に図面といえるものは手がけてない。やることといったら現場に資材や道具運んだり現場で職人に指示だしたり質問攻めにあったりだが質問もこっちは一存で決めたりするわけにいかんからお飾りだ。
でも現場がそれでは納められんモノばっかりだったりするので職人がきちっと納まるよう案を提示してくれるので、時と場合によってはそれで通してしまう方が良い物もある。
が、この社長の場合それらは自分で納得しない限り絶対怒るのだ。｢なんでこんなんになってるねん!?｣と…。
時と場合というか、タダでさえ工期が少ない上に人手不足にもかかわらずいくつも現場を同時進行させてるからそれで収まるならそのまま妥協せん限り納まるものも納まらんのだが、社長よりも経験少ないワシにそれを判断しろと言われても正直判りかねる。
そしてあらかじめの作業の割り振りというか、役割分担などの打ち合わせもロクに無いから自分がどれだけのことをしなればならないかが掴みきれない。
ソレを聞き出したいのだが社長にソレを聞こうとすると｢そんなことも判らんのかクソバカ｣といわんばかりに怒鳴り散らされる、いや実際｢アホ・バカ・死ね｣ぐらいまるで息してるのと同じように簡単に吐いて出てくる。
そしてその説明ときたら最初は口だけ、良くて読めないほど汚い字やド下手な絵で説明するもんだからこっちは理解するのにかなり手こずる。

>>雪音 ｢う〜ん…かなりやりづらそうな人ですね｣

それでも何とかやってきたが、社長自身のミスまでは到底ワシ一人ではリカバーできんよ。
作った金物の寸法が違うとか、アクリルの造作が作り間違いとか、電飾ﾊﾟﾈﾙ用の蛍光灯器具が60灯分必要なのに30灯しか納品されてないとか…それも全部、事前にワシが一個一個の項目ごとに図面と照らし合わせて寸法確認とか、員数確認とかしてさえ居れば確かに回避できた事ではある。そう、つまり悪いのはこの俺ということに成るのだ。
現場を完全に把握できなかったワシが悪いのはしょうがない。だからどんどん自分がしなければならないことも遅れていく。この遅れていくワシの作業というのも現場で大工さんたちにしてもらえば良かったようなものばかりなのだが、物件が平行していて人手が他所に廻るので頼み切れなかった雑作業なのだ。

>>雪音 ｢それで大工の真似事、ですか｣

ﾊﾟｰﾃｰｼｮﾝ壁の透明アクリをはさむ作業とか、扉にカギを取り付けるとか、伝票掛けのフックを席に取り付けるとか。
中には8ｍｍ厚のｱｸﾘﾙ板を階段状に切り欠いて取り付けなければならないものも…俺こんな厚いアクリ綺麗に切ったりしたことないぞ(汗
なれぬ手つきでサンダー(電動回転ヤスリ)使ってアクリの粉まみれになりながら斬る。
サンダーは砥石だが回転していて人の指くらい簡単に飛ばせる物騒な道具だ。ワシのような手が資本の人間があまり進んで使いたい道具ではない！

>>雪音 ｢それで手が使い物にならなくなっちゃったら何にもならないですしね｣

大体職人ではないのだワシは…口で言ってしまえば簡単に聞こえるビス止めや器具付けも『綺麗に』となれば一気に難易度あがるぞ。
それで結局わし一人ではどうにもなら無くてな、加えて免停の講習がどうしてもＯＰＥＮ日直前という時期に重なってしまいほとんどが中途半端になってしまったのだ。ワシとしてはなんとしてもやり遂げようと講習の日も講習後の深夜に現場戻って続けようと思ってたんだが、それがＯＰＥＮ前日の29日の事だった。
現場が全然終わってないことに激怒した社長が電話の留守録に｢クビやもう死んでまえ!!｣とヤクザみたいな口調で言い残してきたんでもう一切合財ヤル気失せた。
>>雪音 ｢何とも言えませんが、頑張らないと｣

まあ既にこの物件終えてから辞めようと思ってたぐらいなので未練は欠片も在りはしなかったが。
俺が入ってから7ヶ月、その間に合計7人が新たに入っては辞めていった。平均一ヶ月、短くて数日。
従業員もそうだが業者も随分振り回されてたまったものではないよ。

>>雪音 ｢うわぁ…正に台風社長｣

にしても後味悪い終え方にしてしまったのだけが悔やまれる。あの社長は人として尊敬などは全く出来ない程酷い人間なのでどんな終わり方にせよすっきりとは出来なかったかもしれないが。
｢名は体を表す｣とはよく言ったもんだ、｢クズ*マキ｣とは恐れ入る。全く読んで字の如くではないか！(失笑

>>雪音 ｢うわぁ、本当によく表してる(汗｣

とまあ、昏〜い話は此処までにしておいて、唐突に暇が訪れたので絵も描いていきたいねえ。

>>雪音 ｢此処までって、じゅ〜ぶん長過ぎだと思いますけどォ？｣(ｼﾞﾛﾘ
>>雪音 ｢っていうか貴方はもっと自分をしっかり管理しなさぁいこのズボラバカーッ!!｣(ドッカー――――ン

あべばっ反省してますースーｽｰ(エコー